成形が難しいエコ素材こそ、
私たちの得意分野です
プラスチックは便利な素材ですが、資源枯渇や環境汚染といった課題も抱えています。私たちは環境への負荷をできるだけ軽減するため、用途に応じたエコプラスチック素材の成形にも積極的に取り組んでいます。
エコ素材は成形条件がシビアで不具合が起きやすく、強度不足や色の制約といった課題があります。当社では材料特性を見極め、温度・圧力・冷却を緻密に調整することで安定した成形を実現します。従来は敬遠されがちな素材でも、試作から量産まで対応いたします。
エコプラスチックとは
主に以下の3種類に分けられます。
再生プラスチック
特徴
使用済みプラスチックや成形時の端材を再利用したリサイクル材です。ポストコンシューマー材(消費後回収)とプレコンシューマー材(製造工程の廃材利用)があります。
メリット
石油資源の消費を抑え、資源循環やCO₂排出削減に大きく貢献できます。コストメリットが出る場合もあります。
課題
- 異なる樹脂が混ざると外観不良や剥離が発生しやすい。
- 再生を繰り返すことで分子量が低下し、強度や耐久性が下がる。
- 元の製品色が残りやすく、色の自由度が低い。
用途
家電製品の筐体、自動車の内装材、販促ディスプレイ、各種産業資材。
バイオマスプラスチック
(植物由来)
特徴
使用済みプラスチックや成形時の端材を再利用したリサイクル材です。ポストコンシューマー材(消費後回収)とプレコンシューマー材(製造工程の廃材利用)があります。
メリット
石油資源の消費を抑え、資源循環やCO₂排出削減に大きく貢献できます。コストメリットが出る場合もあります。
課題
- 異なる樹脂が混ざると外観不良や剥離が発生しやすい。
- 再生を繰り返すことで分子量が低下し、強度や耐久性が下がる。
- 元の製品色が残りやすく、色の自由度が低い。
用途
飲料ボトル、食品包装、化粧品容器、自動車部品など。MAPKAのように紙や竹を混ぜた複合材も植物由来プラスチックの一種に分類されます。
生分解性プラスチック
特徴
PLA(ポリ乳酸)、PBSなどの樹脂で、微生物によって水と二酸化炭素に分解される性質を持ちます。環境中で分解する点が大きな特徴です。
メリット
廃棄後に残留せず環境負荷を大幅に低減できます。海洋プラスチックごみやマイクロプラスチック問題への対策として注目されています。
課題
強度や耐熱性が不足しやすく、用途が限られることがあります。また、産業用コンポストなど特定の条件下でないと分解が進まないケースもあり、実用化には環境整備が求められます。
用途
食品容器、ストロー、使い捨てカトラリー、農業用フィルムなど。
エコプラスチックを使用した
試作品のご紹介
下記は現在当社で対応している「ecoプラスチック素材」です。
各素材で当社製品『コーナーストッパー』を成形しました。
MAPKA(PP49%+紙51%)
グレード/カラー:KM-EB51-WP/(N)
(写真左:ナチュラル、右:グレー着色)
特徴
- プラスチックと紙を組み合わせた素材。紙51%とプラの割合より紙が多く入っているため、自治体によっては燃えるゴミとして捨てることが可能
- CO2排出量を削減できる
主な用途
プラスチックの耐久性と紙の柔軟性を兼ね備えているため、包装材、紙製品の強化材など、両方の特性を活かした製品に使用される
PLA(ポリ乳酸)
グレード/カラー:FY601/(N)
特徴
- トウモロコシなどに含まれるデンプンを原料とした植物由来のバイオベースのプラスチックで、焼却しても大気中の二酸化炭素を増加させないカーボンニュートラル素材
- 土の中などの自然環境で分解するため環境汚染が低減できるが、他のプラスチックと比較して耐熱性や耐久性は低い
主な用途
一回性の包装材、食品容器、フィルム、3Dプリントなど
デュラビオ
グレード/カラー:D6350R/(N)
特徴
イソソルバイドを主原料とした植物由来のバイオエンプラだが生分解性はない
- 耐久性が高く耐摩耗性に優れる
- 透明度がPC以上
- 光による黄変が少ない
主な用途
スマホ筐体、照明、自動車内外装部品、産業機械部品など
PP+バイオ10%
グレード/カラー:PM931+ONEバイオB-001 10%/(N)
特徴
- ONEバイオB-001はバイオマス添加剤で80%がトウモロコシ由来の原料を使用しているためCO2の発生が抑えられる
- ペレットに混ぜるだけでバイオマス度を向上でき、材質の物性を大きく変えないので現行の成形機、金型で成型可能
主な用途
自動車部材、医療機器、家電、住宅、食品包装など