ガラス繊維入り樹脂の成形で
差が出る理由
高充填率・薄肉・複雑形状にも対応
ガラス繊維入り樹脂は、一般的な樹脂に比べて高い剛性・耐熱性・寸法安定性を備え、機械部品や構造部品などに幅広く使用されています。
しかしその一方で、射出成形時の繊維配向や摩耗、バリ、寸法精度など、あらゆる面で制御が難しい素材でもあります。特に高充填率の樹脂では流動性が低下し、充填不良や反りが起きやすく、さらに硬いガラス繊維によって金型の摩耗が早いという課題もあります。これらを克服するには、材料特性を理解した金型設計・成形条件設定・メンテナンスノウハウが不可欠です。
本記事では、ガラス繊維入り樹脂の特徴と、タイセイが安定した品質を実現できる理由を紹介します。
しかしその一方で、射出成形時の繊維配向や摩耗、バリ、寸法精度など、あらゆる面で制御が難しい素材でもあります。特に高充填率の樹脂では流動性が低下し、充填不良や反りが起きやすく、さらに硬いガラス繊維によって金型の摩耗が早いという課題もあります。これらを克服するには、材料特性を理解した金型設計・成形条件設定・メンテナンスノウハウが不可欠です。
本記事では、ガラス繊維入り樹脂の特徴と、タイセイが安定した品質を実現できる理由を紹介します。
ガラス繊維入り樹脂とは
ガラス繊維(グラスファイバー)を混ぜ込んだ強化樹脂は、強度・剛性・耐熱性を高めたガラス繊維強化樹脂(GF樹脂/GFRP)です。
ガラス繊維の混合率を示す「GF30%」「GF40%」などの表記があり、比率が高いほど高強度になりますが、その分成形が難しくなります。
代表的な樹脂としては、ナイロン(PA)、PBT、PP、PCなどが挙げられます。
これらにガラス繊維を加えることで耐久性と寸法安定性が向上しますが、流動設計や成形条件の最適化が難しく、失敗しやすい素材でもあります。
- 高粘度で流動性が低く、充填不良やショートショットが起きやすい
- 繊維の配向ムラにより、反りや寸法変化が発生しやすい
- 硬い繊維によって金型が摩耗しやすく、表面荒れやバリが発生しやすい
このように、素材特性を理解した金型設計・成形条件の最適化が不可欠なのです。
タイセイが品質を出せる理由
● 設計・金型:配向と冷却を読む
流動解析を基にゲート位置や冷却構造を設計し、繊維配向や収縮率の差を抑制します。薄肉や複雑形状でも、均一な流動と安定した充填性を確保します。
● 条件最適化:温度×圧力×時間のバランス
材料特性と形状に合わせて、樹脂温度・金型温度・射出速度・保圧・冷却を最適化します。GF30〜40%クラスでも反り・バリを抑えた寸法安定を実現します。
● 金型の摩耗対策とメンテナンス体制
ガラス繊維による摩耗を想定し、高硬度鋼材や表面処理を採用。定期的な点検・再研磨を行うことで、長期安定した成形品質を維持します。
また、高充填率GF樹脂の成形に対応可能なSE75EV-A射出成形機を保有し、精度の高いトライ成形と安定した量産を実現。経験に基づいた材料選定ノウハウとメンテナンス体制により、トラブルを未然に防ぎます。
SE75EV-A 機
代表材料と用途例
- PA66+GF30/40:機械要素・ギヤ・ブラケット(寸法安定&耐熱)
- PBT+GF30:電装ハウジング(電気特性・耐薬品)
- PP+GF20/30:自動車インナー・家電構造(軽量×剛性) PC+GF:筐体・カバー(耐衝撃×寸法)
PA66+GF50%の弊社製品事例
タイセイの対応範囲
ガラス繊維入り樹脂(GF30%、GF40%など)の成形実績を多数保有しています。産業機器向けの高精度部品を、金型設計から量産まで一貫対応しています。また、高充填率GF樹脂でもバリレス・寸法安定で成形が可能です。